無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



「充電な、俺が」


「っ、じゅーでん.....って」



今日の律くん、ちょっと変.....?


なんというか、距離を詰めてくるというか.....触れてくる、というか。


ほんとうに、前もって充電している....みたいな。


.....心臓にわるいのは、いつもと変わらないけど。


バクバク、いつもの何倍も速い鼓動が、だんだん大きくなってくるような気がして、律くんに聞こえそうで、焦る。



「私でジュウデン、できるの.....?」


「逆に未桜しかむり」



.....私しか、なんて。


''トクベツ''を意識させるのが上手なの、ほんとうにずるい。


すきが、膨らむばかり。



「.....はい、完了」



そうして、1分ほど経って腕が解かれた。


......あたたかい体温が離れてさみしい、なんて欲張りだ。


「未桜」


「ん....?なあに、律くん」



手に持っていたメガネを私の耳にかけながら、真剣な表情で律くんが口を開いた。


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