無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
◇
そして、放課後。
HR終了後、荷物をまとめていたら、ものすごい勢いで悠莉が駆け寄ってくる。
「ほら、みおも早く準備して.....!」
「ええと、どしたの悠莉?なんかあったっけ....?」
「ばか!放課後明けといてって言ったでしょ」
むっと頬を膨らませる悠莉に、クラスの男子数名が頬を染める。
.....さ、さすがです悠莉さん....って。
「ゆ、ゆうりさん?なぜそんなに近づいて....?」
「んん、ほら。動かないで」
ぐっと両頬を持ち上げられて、顎先に手を添えられる。
悠莉は、お気に入りらしいパステルラベンダーのポーチをがさごそ。
「ふふ、ぜったい未桜に似合うとおもうの~」
にこにこ笑いながらリップスティックの先をくるくると回す。
「はい、ちょっと唇んーってして」
「ん、んー.....?」
言われた通りに、唇をつきだすと。
唇に感じる、ひやっとした感触。