無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
『未桜はただ、俺を信じてればいい』
.....私には、受け入れることしか出来ないから。
「じゃあ悠莉ちゃんはおれが送ってくね」
「え、わたしも送ってくれるの?」
「はは、悠莉ちゃんかわいーし。危ないでしょ。
.....冬哉、しっかり守れよ」
冬哉くんの耳元でなにかをぼそっと囁いた駿くんは、私の頭をぽんと撫でて。
「未桜ちゃん、冬哉から離れちゃだめだよ」
へらっとした顔とは裏腹に、真剣な声色。
「うん、」
こくんと頷くと、駿くんはいつものゆるっとした笑みを残して行ってしまった。
◇
「と、冬哉くん.....」
「ん?」
お店から10分ほど歩いたところ。
あとすこしで繁華街を抜ける───ところで、ひとつの違和感に気づいた。
「つけられて、ませんか.....?」
背後から感じる視線と、妙な気配。
ぴた、と足を止めてみれば、後ろの方の足音も止まる。
これは、ほんとうに尾行されている?