無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
瞑っていた目を、おそるおそる開けると。
ぶらんと投げ出された冬哉くんの長い足.....と、地面に這いつくばるひとりの男のひと。
冬哉くんに足をひっかけられた男のひとは、痛みに顔を歪めている。
「───で、おまえはどこの誰」
「ウ゛ッ、」
表情ひとつ変えず、ぐりぐり、と倒れている男のひとの背中を足で踏みつける冬哉くん。
うわ......いたそう。
そのとき、隙間からの光に反射して、なにかがきらりと光った。
そっと上から覗いてみると、反射しているのは男のひとのピアスで。
「(あれ、このピアスどこかで.....)」
見たことあるような気が.....する。
シルバーにちいさなエメラルドグリーンのような色が入っている。
どこで見たんだっけ、と記憶をたぐり寄せていると。
「おまえ、羅灰だろ」
冬哉くんの''羅灰''という言葉で、思い出した。
『っ、覚えてろよ....!』
ピンクと赤のパレッド頭の男のひと2人組が、同じようなピアスをしていた。