無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「律くん、聞きたいことが──「あれ、みーちゃんっ?」
男の子しては高めな、ふわっとした柔らかい声。
振り返ってみれば、ノートパソコンらしきものを抱えた湊くんの姿。
そしてその隣には由良くん。
「え、ほんとになんでここにいるのみーちゃん!!駿と冬哉に家まで送らせるって律が....」
「.....、そういやそーだな」
「ほんっとみーちゃん絡むとポンコツだわ~~いやだわ~~」
「....うっせ」
はあ、と大きくため息をつく湊くんに、決まり悪そうに視線をそらす律くん。
やっぱり、ふたりは私のこと待っててくれたんだ....。
「駿くんと冬哉くん、学校まで来てくれたよ?そのあとパンケー.....っじゃなくて。えっと、ちょっとだけ繁華街に寄り道して。そのあと、冬哉くんが倉庫まで連れてきてくれて.....」
「へえ、冬哉がねえ。でもさ、水城から倉庫まで結構時間かかったでしょ~?」
「ううん。冬哉くんのバイクに乗せてもらって来たから、15分くらいで着いたよ」
ふるふると首を横に振りながら答えた瞬間、3人がピキリと固まった。