無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「....わあ、みーちゃん地雷踏んだ」
「冬哉が2人乗りなんて初めてじゃない?」
怯えたような湊くんに、ふっと柔らかく笑う由良くん。
3人とも様々な反応......だけど。
「なあ未桜。あとでハナシしよーか」
「.....ひ、」
ゆるりと弧を描いた口元、だけど目が笑っていない。
纏う温度は急低下、マイナスの域だ。
「律は落ち着け。未桜ちゃん、続きいいよ」
由良くんにやさしく諭すような笑みを向けられて、ほっと息をついた。
いつも、由良くんには助けられるなあ。
目線でありがとうと伝えれば、由良くんはにこっと微笑んでくれた。
────そして、場に訪れる沈黙
ごちゃごちゃな頭のなかを整理して、つぐんでいた口を開いた。
「みんなに、聞きたいことがあるの」
知らないふりをしていた方がいいのかもしれない。
気づかないふりをして、みんなに任せることが、いちばんの良策だと思っていた。