無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



「みーちゃん。ここにいる誰も、みーちゃんのこと''メイワク''なんておもったことないよ」


やさしいのは彼だけじゃなくて、みんなも同じだ。


ふんわりと柔く笑った湊くんは、いままででのどの時よりも、大人っぽく見えた。



「そうだぞ~~みおちゃんはウチのたーいせつなお姫様だかんね」


「姫ってガラのオンナじゃねえけどな」


「冬哉ー。いつかそのオンナに刺されて死ぬぞおまえ」


「殺られる前に俺が殺る」


「....オイオイ」


そして、いつのまにか合流したのか、壁に寄りかかりながら言い合いをするふたり。


ふいに、ふたりの視線がこちらに向けられて、目を丸くする私に。


駿くんはゆるりと、冬哉くんはにやりと口角をあげる。



「だからね、そんなお姫様を守るのはおれたちの役目なの。みおちゃんに変な虫がつくとさあ、律クンの機嫌がわるくてわるくて」


すたすたと歩いてきたくんが、私の方に手を伸ばす。


手のひらが、頭に触れそうになると。


「さ わ ん な」



べしっと駿くんの手を払いのけた律くんは、駿くんのすねを一蹴り。



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