無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



「守ろうとしてくれて、ありがとう」


それだけで、うれしいよ。


そう付け足せば、律くんは目に寄せていた皺をといて、ひとつ、瞬きを落とす。


そんな律くんに口角をきゅっとあげて、ふわりと微笑むと。


間をおいて、律くんも笑い返してくれた。


その隙間に、ほんのすこしだけ泣きそうにみえた.....のは、気のせいだろうか。



「ずっと、未桜はあのときと変わんない」


ぼそりと、たしかな熱をもって囁かれた言葉。


意味がわからなくて首を傾るけど、ふ、と誤魔化すような笑みをつくった律くんは、背中を向けて行ってしまった。


....なん、だったんだろう。






幹部室の丸テーブルに置かれたパソコン。


カチ、としたクリック音のあと、画面が明るくなった。



「これ.....わたし、だよね」


『この女を探せ』という奇妙な文と一緒にあげられている、一枚の写真。


紛れもなく、私、だ。


「最近、羅灰の怪しい動きが多くて。SNSの個人のアカウント特定して監視してたの。あいつらアホだからさ~、情報をすぐネットにあげるわけ


そしたら、コレ見つけたんだよ」



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