無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「守ろうとしてくれて、ありがとう」
それだけで、うれしいよ。
そう付け足せば、律くんは目に寄せていた皺をといて、ひとつ、瞬きを落とす。
そんな律くんに口角をきゅっとあげて、ふわりと微笑むと。
間をおいて、律くんも笑い返してくれた。
その隙間に、ほんのすこしだけ泣きそうにみえた.....のは、気のせいだろうか。
「ずっと、未桜はあのときと変わんない」
ぼそりと、たしかな熱をもって囁かれた言葉。
意味がわからなくて首を傾るけど、ふ、と誤魔化すような笑みをつくった律くんは、背中を向けて行ってしまった。
....なん、だったんだろう。
♢
幹部室の丸テーブルに置かれたパソコン。
カチ、としたクリック音のあと、画面が明るくなった。
「これ.....わたし、だよね」
『この女を探せ』という奇妙な文と一緒にあげられている、一枚の写真。
紛れもなく、私、だ。
「最近、羅灰の怪しい動きが多くて。SNSの個人のアカウント特定して監視してたの。あいつらアホだからさ~、情報をすぐネットにあげるわけ
そしたら、コレ見つけたんだよ」