無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「.....私、お父さんと話してみる」
今回の事にお父さんがカンケイがあるのか、それを確かめられるのは私だけ。
.....染みついた恐怖心は、簡単には消えない。
知りたくない、いまに甘えて逃げてしまいたい、と思ってしまうけど。
お父さんが私に隠すことには、なにかワケがあるんだと思うから。
みんなの方に身体を向けて、いまできる精一杯の笑みを向ける。
『おまえだけは、ぜったいに俺が守る』
みんなの守り方が、あまりにもやさしいから。
見守るみたいに、そっと寄り添って、傍にいてくれるから。
自分でも気づかないうちに、ほんのすこしだけ強くなれた気がする。
「敵わねえな、ほんと」
左手は繋がったまま、右手でぐりぐりと頭を撫でられる。
.....やっぱり、律くんは頭を撫でるのクセだと思うよ。
律くんに撫でられると無意識に頬が緩んでしまうことを知ったのは、ここ最近の事だ。
「はは、おれもー。ファイト~~みおちゃん」
「じゃあ俺も。未桜ちゃん、がんばれ」
「僕も僕も~~!みーちゃんだいすきぃ!」
「....おまえなら、平気だろ」
ぐしゃぐしゃ~っと。
みんなに一斉に頭を撫でられて、自然とこぼれる笑み。
「ふふっ、ボサボサだよ」
「おいおまえら未桜に触んな」
────ここが大切だと、こころから思った