無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
そして、3秒ほど沈黙。
何回か聞いた律くんの''は?''、ここまで戸惑ったものは初めて聞いた気がする。
「前、湊くんが言ってたよね?羅灰と香山にはウラで繋がるものがある。そのアタマのひとが下っぱしのひとたちにぜんぶ押し付けて、警察をうまくかわしてる....って」
「....いや、それは、そう、なんだけど」
「そのアタマのひとと香山が一緒にいる可能性が高いって。なら、私が捕まって、その場で直接そこで通報すれば確実に捕まる....し」
「未桜、ちょっと待て」
「湊くんがくれた発信器も通信型のイヤホンもあるし、きっと....「未桜!」
律くんの大きな声に、びくりと肩が震える。
....怒っている、とはまた違う、心配してくれるような声色。
そのまま押し黙る私に、律くんが諭すような声で言った。
「あまりにも危険すぎる。もっと他にも手が....「────律くん、前に言ってくれたよね?」
''おまえだけは、必ず俺が守る''
誰かに''守る''なんて言ってもらったの、初めてだったんだよ。
「守って、くれるんでしょ....?」
図々しいってわかってる。
でも、律くんなら....、やさしすぎる彼なら、受け止めてくれるような気がして。