無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
『拐うとしたら車。で、連れてく先もGPSで探知できる』
『うん、家出るときにスイッチオンにしておくね。あと、このイヤホンは、左耳につけておけばいい?』
『うん。遠隔で会話できるように倉庫においてあるパソコンと繋げてる。あと、そのブローチ監視カメラの役割も果たしてるから。
....あと、危ないって判断したらみーちゃんが合図しなくても僕たちすぐ突入するからね?』
スマホは多分没収されてしまうだろうから、と合図を決めた。
''突入''の合図として、左耳のイヤホンを二回振動を送るというもので。
『....うん。それまでに、なんとか聞き出せるようにする』
──────私が今回のことを提案した、もうひとつの理由
駿くんは、香山はなにか犯罪を起こした記録、つまり前科がないと言っていた。
私のことを''傷つけた''香山のことを、わざわざ弁護士事務所に依頼してまで調べてくれていたのは、多分そういう理由。
『みーちゃんもよく考えたね。
....わざと自分を誘拐させて、気の緩んだ隙に自白とるなんて』
『....それしか自分にできること、思い付かなくて』