無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
◇あの日のハナシ
◇◆
「───ん、....ぅ」
何度も額を撫でるやさしい手つきに、目が覚める。
だんだんと開けていく視界に、映るのは.....。
「ごめん、起こしたか」
「お....とうさん、おかあさん....」
ぱちぱちと瞬きを落として、あたりを見渡すと、ここは私の部屋だ、とまだぼうっとしている頭で認識する。
「なんで、ここ....。私、さっきまで」
「桜雅君と警察の方が送ってきてくれたの。みんな未桜のこと心配してたわよ?」
「そっか。律くんと志穂さんが....、っおうが、くん....?」
「桜雅律君だろ?」
「そう、だけど。っお母さんとお父さん、律くんのこと知ってる、の.....?」
目を見開いて問いかける私に、ふたりは目を合わせて、やさしい顔を浮かべる。
ぽん、と頭を撫でられて、そして。
「────話をしようか、未桜」
真剣な声に、こくん、と頷く。
私も、聞きたいことがある。