無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「私、蒼唯未桜です.....っ!」
湊くんたちにも気づかれないなんて....と、さっきの数倍ダメージだ。
ソファを立ち上がった私に────ぽかん、と虚をつかれたような表情の4人
眉を下げる私に、すこしずつ4人の表情が緩んでいく。
「....その声、ほんとにみおちゃん?」
こくりと頷くと、驚いたように目を見開いた駿くんが、距離をつめてくる。
さっきの悠莉同様、じいっと上から下まで視線を送ったあと、信じられない、と言わんばかりの表情をつくるのだ。
すると、そろそろと他のみんなも近づいてくる。
「この香り、みーちゃんの匂い.....!」
「....本人です」
すん、と私の服の香りを嗅いだ湊くんが、ぱぁぁっと満開の笑顔を浮かべて。
「みーちゃんんんん、めっっちゃかわいい~!!」
「...ごめん、未桜ちゃん。いつもと雰囲気ちがうからわかんなかった」
「...おまえって、そんな顔してたんだな」
様々な反応を見せる彼らに、律くんはふかーいため息をついて。
「....おまえらには見られたくなかった」
くしゃりと髪を掻きあげた律くんが、チッと舌打ちを落として。
「未桜」
「....?」