晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
だけど、そんなこと、親切心で傘に入れてくれてる課長に言えるはずもなく…
駅まで課長と歩き、また同じ電車に乗った。
今日も課長に守られるように課長の腕に包まれて立つ。
どうしていいか分からない私は、目の前にある課長のシャツのボタンを見つめることしかできなかった。
6月に入り、ノーネクタイになった課長だが、いつも崩し過ぎることなく、お洒落なシャツを着ている。
会社での距離では気づかなかったが、こうして近くに寄るとそこはかとなく爽やかなシトラスの香りに包まれる。
会社で向かいの席の安藤(あんどう)さんはいつもしっかりと香水をつけているので、嗅覚過敏の私は、少し近寄るだけで気持ち悪くなってしまうんだけど、課長は近寄った状態でほんのり香るところが、いつも優しい課長の人柄のようで、なんだかずっとこうしていたくなる。
しばらくして、まもなく課長の最寄り駅という時、電車が緩やかに停車した。
車掌から状況説明のアナウンスが入る。
落雷により、変電所で不具合が発生し、電力の供給が止まったために動けないとのこと。
電力の供給が止まっているため、冷房も止まってしまった。
ターミナル駅を過ぎて幾分空いたとはいえ、まだまだ大勢が乗った車内は、あっという間に蒸し風呂状態になる。
「立川さん、大丈夫?」
課長が声を掛けてくれる。
「はい。課長は?」
「俺は大丈夫。
上空の空気は新鮮なんだよ。」
「ふふっ
上空って。ふふふ。」
課長の説明に思わず笑ってしまった。
しばらくして、また車掌さんからアナウンスがあり、まだ復旧の見通しが立たず、次の駅まで500メートルほどなので、歩ける人は駅員の誘導に従って線路内を歩いて駅まで行ってくださいとのことだった。
「立川さん、歩ける?」
「はい。」
駅まで課長と歩き、また同じ電車に乗った。
今日も課長に守られるように課長の腕に包まれて立つ。
どうしていいか分からない私は、目の前にある課長のシャツのボタンを見つめることしかできなかった。
6月に入り、ノーネクタイになった課長だが、いつも崩し過ぎることなく、お洒落なシャツを着ている。
会社での距離では気づかなかったが、こうして近くに寄るとそこはかとなく爽やかなシトラスの香りに包まれる。
会社で向かいの席の安藤(あんどう)さんはいつもしっかりと香水をつけているので、嗅覚過敏の私は、少し近寄るだけで気持ち悪くなってしまうんだけど、課長は近寄った状態でほんのり香るところが、いつも優しい課長の人柄のようで、なんだかずっとこうしていたくなる。
しばらくして、まもなく課長の最寄り駅という時、電車が緩やかに停車した。
車掌から状況説明のアナウンスが入る。
落雷により、変電所で不具合が発生し、電力の供給が止まったために動けないとのこと。
電力の供給が止まっているため、冷房も止まってしまった。
ターミナル駅を過ぎて幾分空いたとはいえ、まだまだ大勢が乗った車内は、あっという間に蒸し風呂状態になる。
「立川さん、大丈夫?」
課長が声を掛けてくれる。
「はい。課長は?」
「俺は大丈夫。
上空の空気は新鮮なんだよ。」
「ふふっ
上空って。ふふふ。」
課長の説明に思わず笑ってしまった。
しばらくして、また車掌さんからアナウンスがあり、まだ復旧の見通しが立たず、次の駅まで500メートルほどなので、歩ける人は駅員の誘導に従って線路内を歩いて駅まで行ってくださいとのことだった。
「立川さん、歩ける?」
「はい。」