晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
料理とワインをいただきながら、私は雪菜の話を聞く。

「ずっとね、晶には智也と付き合ってること
 言いたかったんだけど、智也が社内恋愛は、
 周りが気を遣うから内緒にしようって
 言ってて…
 ちゃんと言えなくて、ごめんね。」

そういうこと…

私と同じ事を雪菜にも言ってたのね。

「そんなの、気にしなくていいのに。
 で、いつから、付き合ってたの?」

もうこうなったら、根掘り葉掘り聞いてやろう。

「えっとね、半年くらい前?
 女子高生みたいで恥ずかしいんだけど、
 私がバレンタインに告白したの。
 そしたら、社内恋愛は周りに内緒に
 できないと無理って言われてね。
 だから、内緒にする約束で付き合い
 始めたの。」

「そうなんだ。
 よかったね。」

内緒にできないと無理って、どこからどう見ても浮気確信犯じゃない。

智也も雪菜も所属は開発部。

私は営業部。

部署が違うから隠し通せると思った?

別れてよかった。

絶対、こんなやつ、また浮気するよ。

だけど、こんなやつに騙されたまま結婚した雪菜が可哀想…

教えてあげた方がいい?

でも、もう入籍しちゃってるし…

お腹に赤ちゃんいるし…



それにしても、普段、お調子者の智也が、全く喋らない。

ま、喋れないよね。

私は、思わず、笑いが込み上げてくる。

私の人生で、抑えきれないほどの嘲笑が湧き上がってくる日が訪れるとは思わなかった。
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