晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「うん、そうだね。
 絶対、別れて良かったよ。
 そんな人、結婚しても、絶対浮気するもん。
 ね、智也もそう思わない?」

ゴホッ

突然ふられた智也は、ワインにむせて吹き出した。

「あーあー、智也、何やってるのよ。」

雪菜は甲斐甲斐しく、智也の周りを拭いて世話をする。

「智也、もうすぐ、パパになるんだからね。
 ちゃんとしてよ?」

雪菜は、しょうがないなぁと言いながらも、笑顔だ。

そう。
智也は、昔から、お調子者で子供っぽい。
私がいて世話をしてあげなきゃいけない気にさせられる。

きっと、雪菜も一緒なんだ。


私は、私だけが押すことができる爆弾のスイッチを胸の奥深くにしまった。

子供が生まれたら、智也だって変わるかもしれない。

何より、雪菜はこんなに幸せそうなんだもん。

この幸せを壊す権利は私にはないよね。
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