晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
 課長の部屋に着いて、リビングに入った瞬間、私はびっくりした。

「課長! 綺麗じゃないですか!?」

「だろ?
 今日は、晶が来るから、頑張ったんだ。」

と得意げに胸を張る。

いや、もしもし?
それじゃ、お掃除係の私の立場は?

「あの、私、今日、お掃除をするつもりで
 来たんですけど。」

私は課長を見上げて言った。

「だって、そしたらせっかく晶が来てくれる
 のに掃除しかできないだろ?
 そんなのもったいないじゃん。」

じゃんって…

はぁ……
ほんと、課長って、大人なんだか、子供なんだか…

「それじゃあ、何をするんですか?」

「んー、おしゃべり?」

「は?」

「だって、お互いに仕事以外のことって
 知らないだろ?
 晶のこと、もっとよく知りたいし。」

つまり、それって…

「お見合い的な?」

「ぷっ
 お見合いかぁ。
 それもおもしろいな。
 じゃあ、ご趣味は?」

え… 本気で?

「趣味…は、手芸です。
 アクセサリーを作ったり、編み物したり。」

って、ほんとにやるの? お見合い?
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