晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「へぇ、編み物できるんだ?
 セーターとか?」

「そうですね。
 あ、これも手作りですよ。」

私はポニーテールに付けている手編みのシュシュを指差す。

「え!? これ、手作り?
 すごいじゃん。
 手作りには見えなかったよ。」

課長は目を丸くして褒めてくれる。
なんか、嬉しい。

すると、課長は聞かれてもいないのに話し出す。

「俺はねぇ、テニスと… 」

「ふふっ」

思わず、笑った私に、課長は怪訝な顔をする。

「何? テニスって変?」

「いえ、課長がテニスの選手だったことは、
 多分、営業部全員が知ってると
 思いますよ?」

私と違って、イケメンでスポーツマンの課長は営業だけでなく、社内でも有名人だ。

「え? そう?
 じゃあ、あとは…
 読書とか、映画鑑賞とか… 」

「あれ?
 課長、意外とインドア派ですか?」

絶対、キャンプとか、登山とか、サーフィンとか、アウトドア派だと思ってた。

「はは、アウトドア派だと思ってた?
 誘ってくる仲間は多いし、誘われたら
 行くけど、自分からは行かないかな。
 それこそ、晶がセーター編んでる横で、
 一日中、読書したり、DVD見たりして
 過ごすのもありだよ。」

そうなんだ…

「じゃあ、ここからが本題。」

急に課長の表情が硬くなった。

何?
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