晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「じゃあ、晶のことは、ここだけの話に
 しよう!
 って言っても、最後の独身イケメンって
 言われてる速水課長を射止めたんだから、
 これからいろいろ言われるよ〜?
 狙ってたお姉さま方、多いからねぇ。」

「え? そうなの?」

イケメンだって社内で有名なのは知ってたけど、アイドルみたいなものだと思ってた。

本気でアプローチとかされてるの?

「そうだよ!
 総務にもいるもん三十歳独身で、
 イベントごとに速水課長を誘ってる人。」

言われてみれば、バレンタインも他の男性社員の机には女子社員連盟の義理チョコが置かれているのに対して、昼休み後の課長の席には、高級チョコが山と置かれていた気がする。

そんなにモテるのに、よりによってなんで私なのかな。
社内には、私より綺麗な人はたくさんいるのに。

「大丈夫だよ。
 だって、速水課長言ってたもん。
 ずっと好きだったから、頑張ったんだって。
 晶、めっちゃ愛されてるよね。」

雪菜が金曜日のことを思い出して言う。

いや、でも、あれはきっと智也に対する牽制だし。

課長、ほんとはどんな気持ちで、あの雷雨の日に私に告白してくれたんだろう。
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