晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
 結局、試合は負けてしまった。
課長はすっごく頑張ってくれたけど、私がサーブを上手く返せなくて、私のサーブも全く入らなくて落としたセットが痛かった。

「ごめんなさい。私のせいで… 」

私が謝ると、

「別に晶のせいじゃないよ。
 俺がもっとカバーできてれば良かったん
 だから。
 今度は二人で練習に来ような。」

と笑顔で頭を撫でてくれた。


 その後、誘われるままに食事に行き、椎名さんや穂積さんのご家族と合流した。
お二人とも小さなお子さんがいらっしゃるので、ファミレスで和気あいあいと楽しい時間を過ごす。
奥さまとも仲良くしていただき、かわいいお子さんと一緒にお絵描きをして遊んでいると、あっという間に時間が経っていた。


 そこで解散して、私たちは帰路に就く。

「晶、今日は無理矢理連れてきたみたいに
 なったけど、どうだった?」

運転しながら、課長が尋ねる。

「とっても楽しかったです。
 皆さん、とっても仲良くして
 くれましたし。」

課長はすごくかっこよかったし。
キュンキュンしたし。
ドキドキもしたし。

「そっか。よかった。
 晶がテニスを好きになってくれたら、
 嬉しいなぁ。」

課長はチラリと私を見て言った。

「………好き… です。」

「ん? ほんと?
 じゃあ、また行こうな。
 今度は、晶に合わせて道具もちゃんと
 揃えて…… 」

ご機嫌で話す課長の話を遮って私は告げる。

「課長!」

「ん?」

「課長が好きです。」

「え?」

「私……
 課長のこと、好き…です。」

私は精一杯の勇気を振り絞って告げた。
言いたかったけど、ずっと言えなかった私の気持ち。
恥ずかしくて、照れ臭くて、ずっとごまかしてたけど、やっぱりちゃんと伝えなきゃ。

するとその瞬間、課長の横顔が真っ赤に染まって、困ったような照れたようなはにかんだような複雑な表情をした後、嬉しそうに顔を綻ばせて笑った。
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