晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
あの時
ん……

何?
優しい感触。
誰?
髪を撫でてくれてる。
ふふっ
気持ちいい。

そこでふと目覚めた。

「おはよう。」

目の前に課長の顔。

「お、おはようございます。」

私、昨夜……

なんだか恥ずかしくて、私は頭の上まで布団の中に潜った。

「くくっ
 晶、朝から何隠れてるの?」

課長は布団から少しだけ出た頭をぽんぽんと撫でる。
私は目だけ布団から出して、課長を見る。

「だって…… 」

「くくっ
 ほんと、晶はかわいいなぁ。」

そう言うと、課長は私の額にちゅっとキスをする。

「聞いていい?」

課長は私の目を見て言う。

「はい。」

何だろう?

「晶はいつ、俺のこと好きになって
 くれたの?」

「え…
 いつ…かな… ?
 よく分かりませんけど、初めて私の傘で
 一緒に帰った時に、すごくドキドキした
 のは覚えてます。
 課長をただの上司じゃなくて、初めて
 男性として意識したのは、その時だと
 思います。
 あとは… 徐々に課長のいろんな顔が
 見えてきて、自然と好きになってました。
 でも、なんて言っていいか分からなくて…
 ずっと伝えられなくて… 」

私は、自分でもよく分からない胸の内を探り探り、一生懸命伝える。

「そうか。
 嬉しいよ。
 ありがとう。」
< 66 / 95 >

この作品をシェア

pagetop