恋傘
智基とくだらない話をしながら、帰路につく。

ふと、歩道橋の下で佇む女子が目にはいる。

あ。早希の学校の制服……

会えるわけないと思いつつ、早希かもしれないと淡い期待を抱く。

気にしないふりをしながら、女子の前を通りすぎようとしたけれど…………

あれ?

「あれ?早希?どうした?」

「明宏?」
早希がきょとんとした様子で俺をみる。

…………傘忘れたのか。

「わりー。俺こいつと帰るわ。」
「え?明宏の彼女??」
「うるせーよ。」
彼女じゃねぇよ、彼女にしたい相手だよっ。

「じゃぁな。」
「おぅ、また明日。」
察したらしい智基はあっさり帰って行った。

明日いろいろきかれるんだろうなぁ。

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