夜明け3秒前
この気持ちを吐き出したらスッキリするのかな。
でも、せっかく旅行に連れてきてくれたのにこんな風に思っているなんて知ったら、今度こそ幻滅されちゃうかも。


怖い、すごく怖い。
嫌われたくない。


流川くんは、最近私がおかしいって気がついてる。
そりゃそうだ。


私だって異常だとわかる。
ぼーっとする頻度も、時間も増えた。


毎日のようにうなされる夢を見て、食欲がなくて、上手く笑えなくなって。
あの家にいるときよりも酷い状態だ。

こんなに幸せなのに、こんな状態になる理由がわからなくて。
辛くて、怖くて、申し訳なくて、このまま溺れてしまいそう。


これ以上流川くんに迷惑かけたくないのに。
だけど、聞かれたってどう答えたらいいの……


ブーっと携帯が鳴ってはっとする。
麻妃からだ。

彼女からは毎日連絡がくる。
でも、家族からは一通もない。


私のことなんて本当にどうでもいいんだ。
ああもう、嫌だな。

前よりずっと気分が落ち込んでしまう。
目を閉じると、少しだけ心が落ち着いた気がした。
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