夜明け3秒前
そんな日々から5日が経った頃。
8月も下旬を過ぎ、コテージ暮らし、夏休みも終わりが近づいてきた。


そしてパーティーの日は明後日。


最近は気分も明るく、毎日が純粋に楽しい。
この暮らしが終わってしまうのは寂しいし、あの家に帰る不安は今もあるけれど、今まであの場所で生きてきたのだからなんとかなるだろうと思う。

それに私の血のつながった家族は、世界中探したってあの人たちしかいない。
だからもう少し、努力してみようと思う。

それから……学校。
きっと私のことを好いていない先生、それからクラスメイト。

また何かされたら、いやきっとされるだろうけれど、怖い。
だけど、それでも大切な人のそばにいることを決めた。

自分で決めたことだから負けない。
それに麻妃だっているし、校舎は違うけれど流川くんもいる。


大丈夫。
正直、その場に立ってみないとわからないけれど、前みたいに諦めているわけじゃないから。

もう逃げたりしない。


「凛月さん、ちょっとこのカゴ、千那の部屋へ置いておいてくれないかな」

「え!?」


なんて、やっぱり上手くはいかなくて。
避けているまではいかないけれど、いまだに流川くんを見るとドキドキしてしまって困る。
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