夜明け3秒前
いろいろな意味でドギマギしていると、後ろにいた男性の笑い声が聞こえてそっちへと視線が行く。


「すげー過保護じゃん、心配性だなー」

「誰のせいだと思ってるんだよ」

「はいはい、ちょっとナンパしたくらいで怒るなよー」


流川くんは変わらず呆れた感じだったけれど、なんだかんだ仲が悪いようには見えない。

友達っていうのは本当だったんだ……
2人を見ていると、何故か麻妃のことを思い出して会いたくなっちゃうな。

微笑ましく思って見ていると男性とぱちっと目が合う。


「で、君の名前は凛月ちゃんっていうんだ?オレは金城(かねしろ) 潤。よろしくね」

「佐藤凛月です、よろしくお願いします」


ぺこりとお辞儀をすると「いい子だね、かわいいねー」と笑われて緊張してしまう。

悪い人じゃないんだろうけれど、このノリに慣れるには時間がかかっちゃいそうだな……


「その月のイヤリングも似合ってるね」
「あ、これは流川くんが……わっ」


金城さんが私のイヤリングに触ろうとしたのか手を伸ばすと、拒むように後ろへ腕を引っ張られる。

不思議に思って腕を掴んだ相手を見上げると、その人も私と同じように驚いた様子だった。
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