夜明け3秒前
あ、れ……
私今、何て言った……?


好きって言っちゃった……よね?
自分で言っておきながらびっくりして、どうしたらいいかわからなくなる。


違うって否定する?それとも誤魔化したほうがいい?
でも好きという言葉に嘘はないし、というか告白するつもりじゃなかったのに!


どうしよう振られたら……
ていうかその後でも友達でいてくれるかな、関係性変わっちゃうかな……


あわあわと慌てていると、流川くんとぱちっと目が合う。
目を見開いて驚いた表情をしていたけれど、急に無表情になってますます不安になった。


何か言わないと……!
口を開こうとしたとき、ぎゅうと右手を握られた。


「俺も好き」


真っ直ぐに見つめられながら言われた言葉を、一瞬理解できなかった。
目をぱちぱちと瞬きしてみてもただ時間は過ぎるだけで。

何も言わない私に痺れを切らしたのか、彼がぐいっと至近距離まで近づいてきた。


「凛月?まさか"友達としてだった"なんて言わないよね?」

「い、言わないよっ」

「はは、よかった。それ言われたらすっげーへこむとこだった」


彼は安心したように笑うけれど、私は今の状況がまだ信じられなかった。


流川くんが私のことを好き?
なんで、というかいつから?


嘘じゃない、よね……?


どうしても疑ってしまってチラッと彼の方を見る。
顔も耳も赤く染まっていて、私までドキドキした。
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