夜明け3秒前
次の日の朝は快晴で、久しぶりに目覚めがよかった。
流川くんとは私の家の最寄り駅で合流する予定だ。
準備をして、母に声をかけてから家を出る。
もうすぐ8月になるのに、薄手とはいえ長袖は暑い。
仕方ない仕方ない、と自分に言い聞かせて駅まで歩いた。
待ち合わせまであと10分。
夏休みだからか、駅は楽しそうな人でいっぱいだった。
この人混みの中から流川くんを見つけられるかな……
不安になっていると、手に握っていた携帯がブーっと鳴る。
『着いたよ』と流川くんからメールがきた。
きょろきょろ周りを見渡すけれど、どこにも彼の姿はない。
メールを送ろうかと携帯を見る。
「あ、凛月!ごめん待った?」
声をかけられて目の前を見た。
そこには、長い髪がサラサラと日に当たって綺麗な女性がいた。
「っえ!?……ど、どちらさま……」
背も高くて顔も綺麗なこんな美しい人、会ったことない……よね?
ううん、知り合いならこんな人、忘れるはずないと思うんだけど……
「あー……そうだった、この格好してたの一瞬忘れてたわ……」
目の前の女性はひらりと髪に触れると、ぼそぼそと何かつぶやいている。
あれ、この声……
「もしかして流川くん!?」
びっくりして声が大きくなる。
自分でも大きさに驚いたけれど、周りの人もちらちらと私たちの方を見ていて恥ずかしい。
「ご、ごめ……」
「はは、いいよいいよ。それより驚かせたよな、ごめん……引いた?」
あ、この表情……
そうだ、確か女性に間違われてたことがあったって言ってたとき、こんな顔してた。
「ううん、まさか!すごい綺麗でびっくりした!すごいね!」
私がそう言うと、彼は一瞬固まって、そのあと溶けたように笑い出した。
「ぶ、あはは!凛月すごい勢い……っはは!」
「え、そ、そんなに笑う!?」
流川くんに笑われたのが恥ずかしくて、顔に熱が集まるのがわかる。
私が言ったこと、そんなにおかしかったかな……
うーんうーんと悩んでいると、「凛月」と優しい声で呼ばれる。
「ありがとな」
安心したように微笑む流川くんは、モデルの麻妃にだって負けないくらい綺麗だった。
流川くんとは私の家の最寄り駅で合流する予定だ。
準備をして、母に声をかけてから家を出る。
もうすぐ8月になるのに、薄手とはいえ長袖は暑い。
仕方ない仕方ない、と自分に言い聞かせて駅まで歩いた。
待ち合わせまであと10分。
夏休みだからか、駅は楽しそうな人でいっぱいだった。
この人混みの中から流川くんを見つけられるかな……
不安になっていると、手に握っていた携帯がブーっと鳴る。
『着いたよ』と流川くんからメールがきた。
きょろきょろ周りを見渡すけれど、どこにも彼の姿はない。
メールを送ろうかと携帯を見る。
「あ、凛月!ごめん待った?」
声をかけられて目の前を見た。
そこには、長い髪がサラサラと日に当たって綺麗な女性がいた。
「っえ!?……ど、どちらさま……」
背も高くて顔も綺麗なこんな美しい人、会ったことない……よね?
ううん、知り合いならこんな人、忘れるはずないと思うんだけど……
「あー……そうだった、この格好してたの一瞬忘れてたわ……」
目の前の女性はひらりと髪に触れると、ぼそぼそと何かつぶやいている。
あれ、この声……
「もしかして流川くん!?」
びっくりして声が大きくなる。
自分でも大きさに驚いたけれど、周りの人もちらちらと私たちの方を見ていて恥ずかしい。
「ご、ごめ……」
「はは、いいよいいよ。それより驚かせたよな、ごめん……引いた?」
あ、この表情……
そうだ、確か女性に間違われてたことがあったって言ってたとき、こんな顔してた。
「ううん、まさか!すごい綺麗でびっくりした!すごいね!」
私がそう言うと、彼は一瞬固まって、そのあと溶けたように笑い出した。
「ぶ、あはは!凛月すごい勢い……っはは!」
「え、そ、そんなに笑う!?」
流川くんに笑われたのが恥ずかしくて、顔に熱が集まるのがわかる。
私が言ったこと、そんなにおかしかったかな……
うーんうーんと悩んでいると、「凛月」と優しい声で呼ばれる。
「ありがとな」
安心したように微笑む流川くんは、モデルの麻妃にだって負けないくらい綺麗だった。