夜明け3秒前
夜ご飯を食べた後、片付けをして、ゆっくり休憩して。
それからお風呂に入って、歯を磨いて、今。
携帯の画面で時間を確認すると、23時を過ぎたところだった。
もう眠たいし、寝ようかな。
家にいたときは眠たくなくても寝ないといけないから無理やり寝ていたのに。
まさか、旅行先でぐっすり眠れるなんて思わなかった。
ソファで夏休みの課題をしている彼に声をかける。
「流川くん、私そろそろ寝るね」
「ん、わかった。おやすみ」
「おやすみなさい、無理しないでね」
そう言うと、彼はありがとうと表情をゆるめた。
流川くんと別れて自分の部屋に戻り、ベッドの中に入る。
『おやすみ』って誰かに言ってもらえたの、久しぶりだったな。
彼にとっては当たり前でも、私にとってはこんなに嬉しい。
不思議だなあ……
1か月前まで、彼とは他人だったのに。
昔の私に、夏休みに学校で人気者の流川くんと旅行に行く、なんて言っても信じないだろうな。
今の私でも不思議だって思うのに。
私、今幸せだな。
誰かに理不尽に怒られることも、殴られることもない。
比べられて落ち込むこともないし、家の中の人たちの機嫌や視線にビクビク怖がることもない。
……麻妃に会えないのは寂しいけれど。
でも、会えない分たくさんメールしてくれるし。
ふふっと思わず笑みがこぼれる。
幸せな気持ちのまま眠りについた。
それからお風呂に入って、歯を磨いて、今。
携帯の画面で時間を確認すると、23時を過ぎたところだった。
もう眠たいし、寝ようかな。
家にいたときは眠たくなくても寝ないといけないから無理やり寝ていたのに。
まさか、旅行先でぐっすり眠れるなんて思わなかった。
ソファで夏休みの課題をしている彼に声をかける。
「流川くん、私そろそろ寝るね」
「ん、わかった。おやすみ」
「おやすみなさい、無理しないでね」
そう言うと、彼はありがとうと表情をゆるめた。
流川くんと別れて自分の部屋に戻り、ベッドの中に入る。
『おやすみ』って誰かに言ってもらえたの、久しぶりだったな。
彼にとっては当たり前でも、私にとってはこんなに嬉しい。
不思議だなあ……
1か月前まで、彼とは他人だったのに。
昔の私に、夏休みに学校で人気者の流川くんと旅行に行く、なんて言っても信じないだろうな。
今の私でも不思議だって思うのに。
私、今幸せだな。
誰かに理不尽に怒られることも、殴られることもない。
比べられて落ち込むこともないし、家の中の人たちの機嫌や視線にビクビク怖がることもない。
……麻妃に会えないのは寂しいけれど。
でも、会えない分たくさんメールしてくれるし。
ふふっと思わず笑みがこぼれる。
幸せな気持ちのまま眠りについた。