夜明け3秒前
♢
『親に逆らうなんて、お前は恩知らずだ!』
痛い、痛い。
ごめんなさい、もう言わないから。
『お姉ちゃんなのに、こんなこともできないの?』
辛い、辛い。
そんなこと言われるなら、お姉ちゃんとして生まれたくなかった。
『誰の金で生活できてると思ってるんだ、育ててもらってるんだから感謝しろ!』
苦しい、苦しい。
私、産んでほしいなんて頼んでない。
こんな思いするなら、生まれてくるんじゃなかった ー
「……はっ」
目を開けると、最近やっと目慣れてきた天井が見える。
夢だ、また酷い夢を見たんだ。
「…っ、はあ……はあ……」
大丈夫、大丈夫。
自分の腕で体を抱きしめて、ゆっくりと呼吸し落ち着かせる。
今まではうなされるほどの夢なんて見たことなかったのに。
どうして……
あの家にいても見なかったものを、なぜ遠く離れた今見なければいけないの。
私が、逃げているから……?
逃げたいのに逃げられない。
どうしようもなく怖くて、息が上手く吸えない。
まるで、暗くて何も見えない沼に手招きされて、引きずり込まれているよう。
このままだときっと、帰ってこられなくなる。
どこに、なんてわからないけれど。
『親に逆らうなんて、お前は恩知らずだ!』
痛い、痛い。
ごめんなさい、もう言わないから。
『お姉ちゃんなのに、こんなこともできないの?』
辛い、辛い。
そんなこと言われるなら、お姉ちゃんとして生まれたくなかった。
『誰の金で生活できてると思ってるんだ、育ててもらってるんだから感謝しろ!』
苦しい、苦しい。
私、産んでほしいなんて頼んでない。
こんな思いするなら、生まれてくるんじゃなかった ー
「……はっ」
目を開けると、最近やっと目慣れてきた天井が見える。
夢だ、また酷い夢を見たんだ。
「…っ、はあ……はあ……」
大丈夫、大丈夫。
自分の腕で体を抱きしめて、ゆっくりと呼吸し落ち着かせる。
今まではうなされるほどの夢なんて見たことなかったのに。
どうして……
あの家にいても見なかったものを、なぜ遠く離れた今見なければいけないの。
私が、逃げているから……?
逃げたいのに逃げられない。
どうしようもなく怖くて、息が上手く吸えない。
まるで、暗くて何も見えない沼に手招きされて、引きずり込まれているよう。
このままだときっと、帰ってこられなくなる。
どこに、なんてわからないけれど。