秋の魔法
俺は秋羽と交代し、通学路を歩く。今、秋羽は深い眠りに落ちているだろう。俺は、秋羽を装って歩き続けた。
「あ、秋羽!」
後ろから聞こえてくるのは、美影さんの声。俺はゆっくりと後ろを振り返り、微笑む。
「……秋羽…じゃなくて、雪羽?」
俺は笑みを崩さないままうなずく。美影さんは「だよね…秋羽ってあまり笑わないし…」と納得のいく顔を見せた。
「その言い方、誤解を生むから止めてあげて。俺は感情豊かだけど、秋羽は感情表現が苦手なだけだから…てか、秋羽は普通に笑うからね?ちゃんと美影さんの前でもニコニコ笑ってるから!」
「分かってるよ…初対面とかの人に対しての話しだから…」
美影さん以外の3人は驚いた顔を見せた。俺は深いため息をつく。
「なるほど…てか、秋羽のやつはやっぱり話していなかったのか…俺は紅桜 雪羽。秋羽のもう1つの人格だよ。いわゆる二重人格ってやつ?」
俺は秋羽の過去を除いて話す。前に美影さんに二重人格のことを話したのも俺だ。
「秋羽のやつからは話してもいいって言われているから…とりあえず、学校に行こう!」
俺らは魔法学校に向かって歩き始めた。