秋の魔法
僕は、先輩の魔法に憧れて魔法学校に入学した。一度、先輩の魔法で助けてもらったことが未だに強く印象に残っている。
僕が桜が散っているのを窓から眺めながら、廊下を歩いていると声がかけられた。
「よそ見していたら危ないよ?」
前を見てみると、深い青い目を持つ少年が魔導書を小脇に抱えて立っていた。
「…先輩?」
先輩は僕を見ると「あ、あの時の…魔法学校に来たの?」と微笑んだ。
「はい。僕は紅桜 秋羽と言います」
と僕はペコりと頭を下げた。先輩も「僕は近藤 美影と言います」と頭を下げる。
「美影!早く来いよ!」
誰かが叫んでいる。先輩は「今から行くって!」と返し、僕に向かって手を振った。
「じゃあね。放課後、空いていたら図書館おいで!」
と言い残して去っていく。僕は魔法を使えるようになったおかげで時間ギリギリまで寄り道が出来るようになった。
……何で図書館なんだろう?
それを疑問に思いながら再び歩き始めた。