大好きな人へ。

偶然が偶然を呼ぶ？

月曜日。



お兄ちゃんたちと同じ部屋で泊まることになって私はみんなより早く起きた。



今日は彼と会うんだ！



そして、着替えを済ませて、部屋を出ようとした時



「あれ？あすかちゃんもお出かけ？」



「はい。雅さんもですか？」



「そうだよ。



「どこか行くんですか？」



「人に会うんだ。」



私と同じだ。



「私もなんですよ！」



「そっかー！気をつけてね？」



「はい！行ってきます」



まさか、あんな形で再会するなんて思っていなかった。



彼より早く待ち合わせ場所に着いた私。



すると近くに雅さんがいることに気づいた。



雅さんもここで会うんだー。



ちゃんと変装してるー！



雅さんが私に気づいてこっちに向かってきた。



「あれ？あすかちゃんもここで待ち合わせ？」



「そうなんですよ！奇遇ですね」



「そうだね〜」



そして、約束の時間になっても現れない彼。



「来ないな…」



「来ない…」



「「え？」」



「あすかちゃんも？」



「はい…雅さんもですか？」



「そう。」



「時間なのにな…」



「あすかちゃんは誰に会うの？」



「これ、お兄ちゃんには内緒にしてくださいよ？」



「言わない言わない」



「ゲームで知り合った人なんです。」



「もしかして付き合ってるの？」



「は、はい…」



俯きながら答える。



「恋の形は色々あるから俺は否定しないよ？第一俺も同じような人に会うから。」



「え！？」



「俺も、ゲームで知り合って付き合った子がいるんだ。その子に今日会うんだ」



「そ、そうなんですね」



あまりの事実に衝撃を隠せない。



「あすかちゃんはなんのゲームで知り合ったの？」



「えっと…エグズフォーズです」



「え！？あすかちゃんもそのゲームするの！？」



「はい…」



「しかもすごい奇遇。俺もそのゲームで知り合ったんだ〜」



「すごい偶然ですね！」



「今度さ、一緒にやろっか」



「いいですよ！やりましょう！」



「コード出せる？」



「はい！ありますよ」



コードを差し出して、それを読み込む雅さん。



読み込みが完了した音が聞こえて、雅さんがすごい目でこっちを見てる。



「どうしました？エラーでも出ましたか？」



「え…あすかちゃん、？」



「はい。ん？どうしました？」



「俺たち、もうフレンド登録できてるんだけど…」



「へ？」



「このゲームの話するの初めてだよね？」



「はい」