大好きな人へ。
やっぱり好き…でも、相手、ネットの人だよ?



こういう時はものすごく現実的な私です。



次の日、



「あすかー」



「おー、一花」



「ほにゃ?どした?そんなにぼーっとして」



「んや、なんでもない!んで、話とは?」



「聞いてよー!私さーspade好きじゃん?」



「あーそうだったね」



一花はこの、spadeという人気の男性ボーカルグループのファンなのだ。



「来週の土曜日ね?ライヴなんだけど…」



「ん?まさかとは思うが…」



「そのまさか!一緒に来てほしいの!」



「んー…別に、いいよ?」



今週の土曜日は雅さんも仕事でゲームも通話もできないって、言ってたし…



「ほんと!?」



「うん、その日は何もないから」



「やったー!ありがと!場所なんだけどさ、東京なんだー」



「そうなの?」



「うん!それでも、大丈夫?」



「いいけど…」



東京か…雅さんも確か東京だったっけ…。



一応メールしておこ



『今週の土曜にspadeというグループのライヴで東京に行くことになりました!』



既読つくの早っ!?



「どうしたのー?」



「ううん。なんでもない!」



『ほんと!?じゃぁ、その日に会っちゃおっかな~なんちゃって』



『もう!あ、そのことで、いいですか?』



『うん。』



『私も、雅さんに会いたいです…』



『ほ、ほんとに!?』



『はい』



『そっか~、ねぇ、滞在するのって土曜日だけなの?』



『いや、月曜日と火曜日まで休みなので、火曜の朝に帰ろうかなと』



『じゃぁ、その間で会える時があったら連絡するね?』



『はい!』



ほんとに、会っちゃうんだ…



まだ、先のことなのに、ドキドキしてきた。



雅さんに出会ったのは私がまだ中学3年で、初めて会った時に意気投合、毎日通話をするようになりお互い惹かれ合い、付き合うことに。



「ねぇ、さっきからどうしたの?」



「え?」



「ぼーっとしてるよ?」



「あ、ごめん。ちょっと彼と話してて、」



「あー、あのネットで知り合った人?まだ続いてたの?」



「え、うん」



あ、そっか一花ってネット恋愛反対なんだっけ




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