冴えない私の周りは主役級ばかり～雫の恋愛行進曲〜

「うーん。えーと。ブスでは無いと思うんですけど……」



「反論するんじゃ無いわよブス。そう言えば貴方、青楓高校落ちたんでしょ？」




何故コイツがそれを知っている！　嫌な奴だがネットワーク広そうだもんなコイツ。知っててもおかしくないか。



黙るわたしを見て、彼女は嘲笑の笑みを浮かべた。



「月島君やヒロト君たちは貴方と違って優秀だから合格したそうね。あっ、それと私も合格したんだ。青楓高校に」



彼女は勝ち誇った表情で、ベンチに座るわたしを見下ろし、言葉を続けた。



「違う高校に進学する貴方は、これで金魚の糞も出来なくなるわね。ふふふっ 、愉快だわ」



彼女はそう言って高笑いをしながら西口の方角へと立ち去って行った。



わたしは目を点にして、ポツリとベンチに座ったまま、打たれまくった精神を回復させる。



「雫待たせてゴメンね！　今日、休日だからお手洗い混んでて……雫、どうしたの？」






「嫌な奴、嫌な奴、嫌な奴～！」



わたしは、地団駄を踏み、わたしと同じ名前の某アニメキャラクターをトレースしたのだ。