冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
「雫。おいっ、雫」



「えっ!」



「何さっきから仏像みたいな顔でゴニョゴニョ言ってるんだ?」



蓮の声でハッと我に返ると、三人は怪訝な表情を浮かべていた。



危ない危ない。心の葛藤が口から漏れていた様だ。気を付けないと。



「な、何でもないよ。仏像だけにブツブツ言うなみたいな、そんな感じ」



「大丈夫かお前?」



ふー。また馬鹿なところを蓮に見せてしまったよ。



「それよりさー、聞いてよ! さっき面白い事があって、雫、面と向かってチビブスって言われたんだって」



悪気もなく小春はその話題を切り出した。



物語の登場人物がこの場に勢揃いしていると知らないままに。
 
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