冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
それに合格発表の終わったこのタイミングであれば、私が入学する事で他の誰かが不合格になる訳でもないしね。



「確かに。流石は玲奈ちゃんだね。でも、ホントに良かった~。またこれで同じ学校に通えるね」



 
若菜は手を叩いて喜んだ。……雪と違い、少し頭の弱い若菜は私の話に納得したようだ。



「まあ、玲奈ちゃんが一緒の方が、良いのは間違いないっか。中学生時代だって、玲奈ちゃんが助けてくれなかったら、私たち悲惨なスクールライフ送ってたと思うし」



「納得してくれたのなら良かったわ。この事は三人だけの秘密よ」



これで私がする段取りは終わったわね。後は父が上手くやってくれるだろう。家では愛想良く振る舞っている私を、父は溺愛している。



「これで、あの小生意気な宮橋 雫と同じ土俵に立ったわね。高校に入ったら覚えてなさい!」



私は再度、メラメラと対宮橋雫へと闘志を燃やし、決意を新たにしたのだ。
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