冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
「今まで聞くのを躊躇してたんだけど、玲奈ちゃん、どうしてそんなに宮橋さんを目の敵にしてるの?」



雪の質問に私は答えるか迷った。



私はグラスに刺さるストローを咥えカフェラテを一飲みする。



「あっ、言いたく無いなら別にいいよっ」



「話すわ。ただ、これを聞いたら貴方たちも引き返せないわよ」



雪と若菜とは二年の付き合いだ。もう、話してもいいかもね……。



「イヤ、別にいいよ。そこまで関心がある訳じゃないし」



「…………」



「えっ? 話したいの? えーと、じゃあ、何で宮橋さんをイジメるようになったの?」



「イジメなんかじゃないわよ。そう、コレは復讐よ」



その言葉に雪はゴクリと息を飲んだ。若菜は興味津々といったところか、前のめりに聞く態勢を整えた。



そう、コレは復讐なのだ。



決してイジメなど軽率なものでは無い。



確かに宮橋雫には、数々の嫌がらせを行ってきた。



ある時は廊下ですれ違いざまにワザと肩をかすめたり、ある時は、すれ違いざまに猿などチビなどと、彼女だけに聞こえる様に暴言を吐いた。



一番酷いことをしたのは、彼女が一人でお手洗いに入るのを見計らって、電気を消して花子さんの怪談話をした事かしら。



まあ、彼女は無反応だったけど、恐怖に震えてた筈だわ。
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