冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
そう。その刺々しく触った者全てを傷つける彼が、夏休み明けに一変していたのだ。
夏休み中は悶々とした気持ちで過ごしていた。
早く夏休みが終わる事を願ったのは、この時が初めてだろう。
長い長い夏休みを耐え忍んで訪れた初登校日。
ようやく久しぶりに彼と会える、そんな歓喜に満ちて気持ちで登校した。
だが、前日はワクワクして眠れない、そんな乙女の感情は無残にも、登校してからものの数分で打ち壊されたのだ。
私はある光景を見て、頭が真っ白になった。
ふと渡り廊下に目をやると、ヒロト君が爽やかな笑顔で談笑してたのだ。
横には同級生だろうか、見たことの無いショートカットの小柄な女子生徒。
あの刺々しかった彼が屈託無く笑っている……。
教室へと入って行った彼を追いかけて私は彼へと声を掛けた。
勇気を持ってなどでは無い。聞かずにはいられなかったのだ。
「ヒ、ヒロト君おはよう。あの、その、さっき渡り廊下で一緒にいた娘って友達?」
「誰だお前? お前には関係無いだろ」
私は彼の記憶の一ページにさえ、留まれていなかった。
後で調べて分かったが、彼の隣にいた女子生徒こそが宮橋雫だ。
その時に私は誓った––––。
私から彼をトンビのように奪って行った、宮橋雫へ復讐すると。
「そ、……それだけ?」
夏休み中は悶々とした気持ちで過ごしていた。
早く夏休みが終わる事を願ったのは、この時が初めてだろう。
長い長い夏休みを耐え忍んで訪れた初登校日。
ようやく久しぶりに彼と会える、そんな歓喜に満ちて気持ちで登校した。
だが、前日はワクワクして眠れない、そんな乙女の感情は無残にも、登校してからものの数分で打ち壊されたのだ。
私はある光景を見て、頭が真っ白になった。
ふと渡り廊下に目をやると、ヒロト君が爽やかな笑顔で談笑してたのだ。
横には同級生だろうか、見たことの無いショートカットの小柄な女子生徒。
あの刺々しかった彼が屈託無く笑っている……。
教室へと入って行った彼を追いかけて私は彼へと声を掛けた。
勇気を持ってなどでは無い。聞かずにはいられなかったのだ。
「ヒ、ヒロト君おはよう。あの、その、さっき渡り廊下で一緒にいた娘って友達?」
「誰だお前? お前には関係無いだろ」
私は彼の記憶の一ページにさえ、留まれていなかった。
後で調べて分かったが、彼の隣にいた女子生徒こそが宮橋雫だ。
その時に私は誓った––––。
私から彼をトンビのように奪って行った、宮橋雫へ復讐すると。
「そ、……それだけ?」