冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
自宅からライブハウスまでは徒歩二十分程の道のりだが、今日はやけに近く感じる。



そうこうして裏口からバークヤードに入ると、既に6人全員が集まっていた。



六帖程の狭いバックヤードには、楽器や小物が粗雑に置かれている。
 入るや否や皆が此方へと視線を向けた。



わたしの言葉を待っている。



一呼吸して口を開いた。



「ごめん。私みんなと同じ高校に行けなくなっちゃった」



意を決し、出来る限りの明るい表情を作り重々しい言葉を吐き出した。



私を含めここに居る七人で同じ高校を受験したのだが、皆は優秀。
落ちたのは確実に私だけだろう。
 


 ベース担当の千夏(ちなつ)とキーボードのさやかは、何も言わずに私を優しく抱きしめてくれた。



 長テーブルに座ったままの男子三人は黙ったままだ。
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