冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
時間は十二時半。
北高の正門へとたどり着いたわたしは、立ったままに太ももを揉みほぐす。
駅から北高までは歩いて十五分ほどと近いのだが、三角定規の傾斜角度を思わす強烈な坂道がある。
明らかに生徒たちを歓迎していない。
中学卒業から、運動を全くしていなかったのも祟り、わたしは生まれたての子鹿さんのようだ。
「受験の日に来た時も思ったけど、誰がこんな所に学校を建てようとか言い出したんだよ。全く」
わたしは小さくヘイトを吐き、視界に入った正門横に建造された彫像へと近づく。
台座のプレートには創設者、坂口 権之助と刻まれている。
「……コイツか」
台座に乗った権之助のふくらはぎをペシペシと軽く叩いた。
「何やってんよ雫? 早く行くわよ」
小春の呼びかけと共に三人に駆け寄り、正門から校舎奥にある体育館まで続く中庭を歩く。
わたしは意図して三人の少し後ろを歩いた。これには訳がある。
北高の正門へとたどり着いたわたしは、立ったままに太ももを揉みほぐす。
駅から北高までは歩いて十五分ほどと近いのだが、三角定規の傾斜角度を思わす強烈な坂道がある。
明らかに生徒たちを歓迎していない。
中学卒業から、運動を全くしていなかったのも祟り、わたしは生まれたての子鹿さんのようだ。
「受験の日に来た時も思ったけど、誰がこんな所に学校を建てようとか言い出したんだよ。全く」
わたしは小さくヘイトを吐き、視界に入った正門横に建造された彫像へと近づく。
台座のプレートには創設者、坂口 権之助と刻まれている。
「……コイツか」
台座に乗った権之助のふくらはぎをペシペシと軽く叩いた。
「何やってんよ雫? 早く行くわよ」
小春の呼びかけと共に三人に駆け寄り、正門から校舎奥にある体育館まで続く中庭を歩く。
わたしは意図して三人の少し後ろを歩いた。これには訳がある。