冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
後方入口から三組の教室に入ると、既に半数以上のクラスメイトたちが登校して来ている。



無意識に最前列窓際に座る蓮が目に入った。



彼は窓から吹き込む春風を浴びながら、机にうつ伏せ状態でスヤスヤと寝ているようだ。
背の高い蓮の背中はとても大きい。



黒板に席順が貼られている事に気付き、確認してから自分の席へと着いた。



蓮と対角線上の通路側最後方の席だ。



悪くは無い。隣の席以外からは完全なる死角。さらに対角線上にいる蓮の動向も追えるという、一挙両得なプラチナ席だ。



「小春から五百円をゲットした事といい、やはり今日は運がいい」



わたしはニマニマとしながら、鞄から携帯電話を取り出した。



小説投稿サイトのマイページから、閲覧数解析ページをみにいく。



「っ––––!」



閲覧数が、いつもより大幅に多い!
< 51 / 98 >

この作品をシェア

pagetop