冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
いづれにしよ、わたしは脂汗を垂らし、カタカタと震え腹痛に耐え忍んでいる。
再度、時計に目をやる。
「まだ五分しか経ってないだと!」
明らかに時間の流れがおかしい。時計の秒針あんなに遅かったっけ? と、時間の概念を呪う。
それと共に腹痛度は増し、既に臨界点に近づきつつある。
……このまま事を放置すれば大事、大量失点に繋がり兼ねない。
「どうしたの? 具合悪そうだけど?」
地獄に舞い降りた一本の救いの糸が天から降ろされた。
隣の席に座る名も知らない女子生徒が、わたしの異変に気付き声を掛けてくれた。
どうやらわたしは、緊急事態に頭の回転が速くなるタイプの様だ。
彼女の声掛けから刹那、地獄からの緊急脱出プログラムを頭の中で組み立て完成させたのだ。