冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
だが! 状況に変化が生じた。光が射したと表現するべきだろうか。隣の席に座る女子生徒が、声をかけてくれたのだ。



ここで体調不良を訴えれば、彼女は担任に報告してくれるだろう。



そして担任は報告者である彼女に、保健室への付き添いを指示する。完璧だ。



後は作戦を実行させるのみ––––



「ははは、ちょっと気分が悪くて」



「大丈夫? 凄い汗かいてるよ」



「ほ、保健室で少し休憩したら大丈夫なんだけどな~……」



顔を腹痛で歪ませながらも誘導は成功した。後は頼んだ。



この時、既にわたしは腹痛度九割を超えていた。この作戦が失敗に終われば、トイレへ駆け込む覚悟だ。



「内田先生ー!」



「……えーと、森、どうした?」



「隣の席の娘が気分悪いそうです」



グッジョブ森さん!
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