異世界ニコニコ料理番～トリップしたのでお弁当屋を開店します～

「これは不可抗力でして、あなた方を探していたら小石に躓いてしまい、気づいたら泉の中にドボンしていたのです！　断じて覗きをしようとしたわけでは……でも、眼福ではありましたね」

「そう、よくわかったよ」


エドガーは眼鏡をキラリと光らせて、ホルスターから銃を引き抜くと男に照準を合わせた。

銃口を向けられた男は両手を前に突き出して、必死に助けてくれとばかりに何度も横に振る。


「いやいやいやいや！　わかってないですって！ 無実です、ただちょっと肌のキメが細かくて綺麗だなあとか、胸が意外と大きいなあとか……」

「もう黙ってくれないかな。雪が怖がる」


エドガーがカチリと銃の安全装置を解除したとき、数人の足音が近づいてきた。


「お嬢、さっきの悲鳴はなんだ！？」


ランディの声とともに、バルドやオリヴィエが茂みから姿を現す。

エドガーは彼らから隠すように、裸の私をさらに強く引き寄せてくれたのだが、さすがに気づかれてしまったらしい。

布ひとつ纏っていない私と泉に浸かったままの男を交互に見比べた皆は、おそらく同じ解釈をしたのだろう。