異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「人っ子ひとりいないですね」
窓の外を見てそうこぼしたオリヴィエに、私たちを迎えに来た領主モナド様の使用人は「全員、教会に避難しているんです」と教えてくれた。
あまりの被害の大きさに言葉も出ないまま、私たちはモナド様の邸にやってくる。
中に通されると、深緑の燕尾服のようなものを着た四十代ぐらいの男性が出迎えてくれた。
「遠路はるばる、よくぞ来てくれました」
「モナド卿、事情はそこの使用人から聞いてる。炊き出しをするなら、俺たちの持ってきた食料だけでは足りない。食料を調達する場所はある?」
前に出たエドガーを見たモナド卿は信じられないといった様子で目を見張った。
けれども、すぐになにかを察した様子で顔を引きつらせながら、ぎこちなく答える。
「町のマーケットはすべて雪崩でなくなってしまったので、次の物資の補給まではこの邸にある食料を使ってください」
「物資の補給は城から?」
エドガーの問いにモナド卿は話すべきか迷うように唇を引き結んで下を向くと、深刻そうな顔つきで重い口を開く。
窓の外を見てそうこぼしたオリヴィエに、私たちを迎えに来た領主モナド様の使用人は「全員、教会に避難しているんです」と教えてくれた。
あまりの被害の大きさに言葉も出ないまま、私たちはモナド様の邸にやってくる。
中に通されると、深緑の燕尾服のようなものを着た四十代ぐらいの男性が出迎えてくれた。
「遠路はるばる、よくぞ来てくれました」
「モナド卿、事情はそこの使用人から聞いてる。炊き出しをするなら、俺たちの持ってきた食料だけでは足りない。食料を調達する場所はある?」
前に出たエドガーを見たモナド卿は信じられないといった様子で目を見張った。
けれども、すぐになにかを察した様子で顔を引きつらせながら、ぎこちなく答える。
「町のマーケットはすべて雪崩でなくなってしまったので、次の物資の補給まではこの邸にある食料を使ってください」
「物資の補給は城から?」
エドガーの問いにモナド卿は話すべきか迷うように唇を引き結んで下を向くと、深刻そうな顔つきで重い口を開く。