異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
『……っ、おいしい……』
悲しいからではなく、安堵にも似た感情から生まれた涙だった。
私は泣きながら、黙々とサーモンパイを頬張る。
その間、お母さんは机に頬杖をついて微笑みをたたえた眼差しで私を見守ってくれていた。
『ご飯はお腹だけじゃなくて、心も満腹にしてくれる。だから雪、辛いときこそなにかを食べて、おいしいって笑いなさい。そうしたらいつか、心から元気になれる日が来るから』
今度こそお母さんの言葉を信じられた私は、口の中にあるサーモンパイをじっくり味わってから惜しむように飲み込んで顔を上げると──。
『お母さん、このサーモンパイおいしい!』
いつか心から元気になれる日が来ると信じて、私は笑ったのだった。
***
「私のお弁当で、皆を幸せいっぱいの満腹にするんだ」
そう意気込んで教会の扉に向かって歩き出す私のあとを皆もついてきてくれた。
外に出て雪を被ったランチワゴンに乗り込むと、私は小麦粉とバター、塩を準備して台に載せる。
悲しいからではなく、安堵にも似た感情から生まれた涙だった。
私は泣きながら、黙々とサーモンパイを頬張る。
その間、お母さんは机に頬杖をついて微笑みをたたえた眼差しで私を見守ってくれていた。
『ご飯はお腹だけじゃなくて、心も満腹にしてくれる。だから雪、辛いときこそなにかを食べて、おいしいって笑いなさい。そうしたらいつか、心から元気になれる日が来るから』
今度こそお母さんの言葉を信じられた私は、口の中にあるサーモンパイをじっくり味わってから惜しむように飲み込んで顔を上げると──。
『お母さん、このサーモンパイおいしい!』
いつか心から元気になれる日が来ると信じて、私は笑ったのだった。
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「私のお弁当で、皆を幸せいっぱいの満腹にするんだ」
そう意気込んで教会の扉に向かって歩き出す私のあとを皆もついてきてくれた。
外に出て雪を被ったランチワゴンに乗り込むと、私は小麦粉とバター、塩を準備して台に載せる。