異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
▼Menu5デザートは『かぼちゃ豆腐プリン』弁当
城に乗り込むと、意外にも門番は王子の知り合いだからと顔パスで中に入れてくれた。
兵の案内で通されたのはエドガーの執務室だった。
「エドガー様、ご友人が来られております。お通ししてもよろしいでしょうか」
ノックをして兵が声をかけると、中から「え!?」と驚いた様子の返事があった。
私は許可をもらって、兵が開けてくれたドアの向こうへと足を踏み出す。
そこにいたエドガーはいつもの眼鏡を外して、見慣れない白軍服に身を包んでいた。
森でゴミ屋敷同然の家に住んでいたとは思えないほど、高級な王族衣装に身を包んでいるというのに、彼は私を凝視したまま口をぽかんと開けてフリーズしている。
なんとも、童話の中に出てくる王子とはかけ離れた間抜け面である。
「エドガー、あの手紙はどういうこと?」
顔を見た瞬間、怒りがわいてきてズカズカと彼に近づく。
エドガーはというと私の剣幕に怯むように後ずさり、どんっと背中を執務机にぶつけていた。