異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「雪、母親と兄上たちのこと、本当に驚いたよ。身体も軽くなって、最近は政務にも身が入るようになったみたいだ」
「それはよかった。エドガーたちのほうはどう?」
「俺は雪崩の振動を感知する機械を作って、すぐに町民たちに知らせられるよう町の至るところに警報器を設置した」
「ついに完成したんだ!」
「うん、皆のおかげでね。バルドとオリヴィエは避難場所建設の監督をしてもらってる。あと、雪崩は木々の少ない斜面で発生しやすいから、木に見立てた棒をいくつか埋め込んで雪崩を発生しにくくさせる作業をランディと町の男たちが請け負ってくれてる。作業ももうじき終わるよ」
朗報を聞けた私は肩の荷が下りた気がして、ふっと身体の力を抜く。
その途端、なぜか眩暈がした。
顔から床に倒れそうになったとき、とっさにエドガーが抱き留めてくれる。
「雪、どうしたの!?」
そんな彼の必死の呼びかけも遠のき、私は意識を手放してしまった。
カチッとスイッチを入れられたようにふいに目覚めると、エドガーが私の額のタオルを変えるところだった。
「目が覚めた? 医者の見立てだと雪は風邪を引いていたみたい。さっきまで高熱にうなされてたんだよ」
「そうだったんだ……全然、気づかなかったよ」
ベッドに横になったまま私が苦笑いしていたら、エドガーが手を握ってくる。
あれ、冷たい?
そう思ってすぐに、自分の体温が異常に高いのだと気づいた。
「それはよかった。エドガーたちのほうはどう?」
「俺は雪崩の振動を感知する機械を作って、すぐに町民たちに知らせられるよう町の至るところに警報器を設置した」
「ついに完成したんだ!」
「うん、皆のおかげでね。バルドとオリヴィエは避難場所建設の監督をしてもらってる。あと、雪崩は木々の少ない斜面で発生しやすいから、木に見立てた棒をいくつか埋め込んで雪崩を発生しにくくさせる作業をランディと町の男たちが請け負ってくれてる。作業ももうじき終わるよ」
朗報を聞けた私は肩の荷が下りた気がして、ふっと身体の力を抜く。
その途端、なぜか眩暈がした。
顔から床に倒れそうになったとき、とっさにエドガーが抱き留めてくれる。
「雪、どうしたの!?」
そんな彼の必死の呼びかけも遠のき、私は意識を手放してしまった。
カチッとスイッチを入れられたようにふいに目覚めると、エドガーが私の額のタオルを変えるところだった。
「目が覚めた? 医者の見立てだと雪は風邪を引いていたみたい。さっきまで高熱にうなされてたんだよ」
「そうだったんだ……全然、気づかなかったよ」
ベッドに横になったまま私が苦笑いしていたら、エドガーが手を握ってくる。
あれ、冷たい?
そう思ってすぐに、自分の体温が異常に高いのだと気づいた。