異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「あ、話してなかったっけ。お店の名前、ニコニコ弁当!」
自信満々に宣言すると、オリヴィエはげんなりした顔で「ネーミングセンスに問題あり!」と却下してくる。
でも、バルドさんとエドガーは「雪らしいんじゃないか?」と納得してくれたので、その勢いに乗って私はランチワゴンの中から制服を取り出した。
「じゃじゃんっ、これニコニコ弁当屋の制服です!」
私は白のフリルがついたヘッドドレスとニコちゃんマークが入ったオレンジのエプロンを服の上から身に着けて、くるりと回ってみせる。
「多めに作っておいてよかった! はい、皆のぶん」
私は皆にもエプロンを配る。
もちろん、ロキがつけられるように小さなサイズのものも用意した。
「このマークは、俺には不釣り合いではないだろうか」
困惑気味にエプロンのニコちゃんマークを自分の顔に近づけるバルドさんに、私は首を横に振る。
「ギャップが可愛い!」
「かわ……いい? 若者の考えることはわからんな」
首を捻っているバルドさんの隣で、オリヴィエは「信じられません、今からデザインしなおして……」とぶつぶつ呟いている。