ひみつ
教室で待ってるからな、と言って彼は離れていった。


病気のこと、彼にはバレたくない...


彼には...


には...?


いつしか私の心の中で彼は特別な存在になってた。


心が混乱したまま、部活の部屋に戻った。


後ろのドアをコソッと開けると...


「莉奈ちゃん、大丈夫?」


「さ、佐伯先輩...」


「他のみんなはウォーミングアップ終わって今日は放送室でアナウンスの練習してるよ」


「す、すいません...」


「顔色...悪いけど...ほんとに大丈夫?」


「先輩...あの実は...私...」


どうしよう...


もう先輩には...言ってもいいかな...


「誰にも言ってないというか、隠してたんですが...病気持ちなんです...」


「病気って...?」


「その...生まれつきの病気で.....心臓が悪いんです...」


「...」


「だから、やっぱり、...私の体がもう...良くないので.....その...部活は...やめ「やめないで...」


「...え?」


「莉奈ちゃん.....誰にも言ってないことを言ってくれて、それだけ僕を信用してくれてるのは分かった.....こんな状況で言うのもおかしいかもしれないけど...」
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